視力の一部に障害が起こるとものの中心部がゆがんでぼやけ視力が急激に低下する
加齢黄斑変性という目の病気が急増しています。食事が欧米化するにつれて増えつづけていることから、血糖値が高い人に起こりやすい目の病気と考えられています。
加齢黄斑変性について詳しくはこちら。
加齢黄斑変性は、目の網膜の中心部にある黄斑部という部分に、むくみや出血が起こる病気。加齢黄斑変性の患者さんの眼底写真を見ると、黄斑部に出血があり、その周囲が変性脂質の塊で覆われています。
黄斑部の真ん中には「中心窩」というくぼみがあり、光や色を識別する視細胞が集中しています。ものを見る機能が最も高く、私たちの視力を支えるかなめとなっています。黄斑部は、直径1.5ミリほどの極めて狭い組織。そのため、黄斑部が変性脂質で覆われてしまうと視細胞が正常に働かなくなり、視力が急激に低下することもあるのです。
初期の段階では見たいものの中心部が見えづらくなります。具体的に言うと、黒ずんで見えたりするようになります。バスの行き先を表示する部分だけが見えづらい、化粧をするときにまゆやアイラインが描きづらいという人は、加齢黄斑変性を疑ってください。
加齢黄斑変性の患者さん30人に、90日にわたってビルベリーの有効成分を抽出したビルベリーエキスを試したところ、視界のぼやけやゆがみ、視力低下といった症状の改善が全員に見られました。
患者さんの眼底写真を見ると、黄斑部を覆っていた変性脂質の塊がきれいに取れていることがわかりました。
なぜ、ビルベリーの有効成分をとると、加齢黄斑変性が改善するのでしょうか。加齢黄斑変性が起こるしくみとあわせてお話ししましょう。
網膜の黄斑部に何らかの原因で障害が起こると、血流がとだえて黄斑部に酸素や栄養が行き渡らなくなります。すると、網膜は新生血管という新しい血管を作って、酸素や栄養を取り入れようとします。新生血管は急ごしらえで作られる血管のため、 破れて出血したり、血液中の水分が流出してむくみを起こしたりします。
すると、新生血管からもれた血液は黄斑部を圧迫して変形させるのです。圧迫された黄斑部の視細胞は機能が衰えて死滅し、視力は急速に低下します。
ビルベリーの有効成分が黄斑部の活性酸素を除去する
加齢黄斑変性を予防・改善するには、網膜の血流をよくすることが大切です。ビルベリーに含まれるアントシアニンという色素成分には、目の血流を活発にする働きがあります。
また、ビルベリーには、ルティンというカロテノイド(植物に多い色素成分) も豊富に含まれています。ルティンは活性酸素の働きを抑える抗酸化作用に優れ、体内に取り入れると黄斑部に蓄積されるという特長を持っています。
体内に活性酸素が増えても、
ビルベリーを飲んで黄斑部にルティンが蓄積されれば、抗酸化作用が発揮されて、加齢黄斑変性の進行が抑えられるのです。