私は、40代に入ったころから、腰痛がひどくなってきました。看護師にとって、腰痛は職業病のようなものです。腰に負荷がかかる作業が多く、同僚も腰痛持ちの人が、たくさんいます。とりわけつらいのが夜勤明けで、腰全体がひどく痛み、両足の先までしびれてしまいます。
私は通勤に車を使っていますが、夜勤明けの帰宅時は、腰痛と足のしびれのせいで、アクセルをまともに踏むことができないほどです。そこで、5〜6年前から、私は整骨院に通うようにしました。整骨院で施術を受けると、痛みは確かに競和されます。しかし、その状態は長続きせず、すぐにまた痛みが現れてくるのです。
そんな私のひどい腰痛を大きく改善してくれたのが、「ひざゆらし」でした。今から2〜3年前になりますが、腰痛のひどい看護師を集めて、体のゆがみを取る講習会を問いたことがありました。
そこで、体のゆがみを解消する簡単なエクササイズとして、ひざゆらしを教えてもらったのです。その場でひざゆらしを行うと、すぐに、腰の状態に変化を感じました。そのときは、仕事が終わったあとだったので、大変疲れていて、腰の状態もよくありませんでした。ひざゆらしを行った後には、あれだけ重たく感じていた腰が、とたんに軽くなったのです。それ以来、自宅でも毎日ひざゆらしを行ううようになりました。
私の場合、ひざゆらしは、毎日、起床時と就寝前に、5〜10分かけて行っています。毎日ひざゆらしを続けたところ、だんだん腰の状態がよくなってきました。痛みが現れたときに行うと、その場で痛みが引いてきます。また、夜勤の日には、勤務前に行うようにしています。そうすると、腰痛が起こりにくくなるのです。ひどかった足のしびれも、ほとんど感じなくなりました。おかげで、夜勤明けでも、楽に車を運転できます。城戸先生の診断によれば、私の体はゆがんでいて、右足が左足に比べて長くなっているのだそうです。
自分ではまっすぐ立っているつもりでも、実際には右層がやや前に出てしまうのです。先生に指摘されるまで気づかなかったことですが、鏡で自分の姿を確認すると、確かに左右が非対称でした。特に仕事後は、疲れが影響しているのか、ゆがみがいっそうひどくなるようです。この体のゆがみが、腰痛と足のしびれの原因だったようです。
ひざゆらしをくり返したところ、体のゆがみは、しだいに解消されました。以前は、腰が痛むので、外出時には、長時問は歩けませんでした。それが今では、腰が軽くなり、足のしびれも治まっているので、長時問でもスタスタ歩けます。さらに、今では趣味で登山もするようになりました。
以前の自分と比べると、ほんとうに大違いです。ひざゆらしの効果は、これだけではありません。
長年悩まされている肩こりも楽になりました。肩こりがひどくなると、頭痛薬を飲まないと耐えられないこともしばしばありました。
それが今は、肩こりが全くなくなくなったではないものの、起こる頻度が少なくなり、とても楽になりました。
頭痛薬に頼ることも、ほとんどありません。また、私は便秘症で、1週間お通じがないこともありました。夜勤なども多く、不規則な仕事ですから、どうしても便秘がちになってしまうのでしょう。
下剤に頼らないと、お通じがない日も多かったのです。それが、今では毎日お通じがあり、薬に頼ることもなくなりました。
さらに、ひざゆらしをすると、気持ちが爽快になり、シャキッとします。朝起きると、「今日はなんにもやりたくないな」と思うことがありますが、ひざゆらしをすると、そんな憂うつ鬱な気分も吹き飛びます。「さあ、やるぞ」と、1日の始めに、気持ちが高まるのです。ひざゆらしは、今や、夜は1日の疲れを癒し、朝は、これをやらないと1日が始まらない。そんな大切な習慣となっています。
その股関節痛、切らずに治せます! (ビタミン文庫) [ 矢野英雄 ]
変形性股関節症は、進行性の病気で治らない、いずれは手術しかない、といわれています。しかし、その「常識」とされていることは、ほとんどが間違いです。本書の著者は、変形性股関節症の保存療法の第一人者です。これまでに2000人を超える患者さんを診るなかで、手術を勧めたのは、1%以下。大多数が手術をしない保存療法で、股関節症を改善しています。本書では、股関節を切らずに治すための大事なルールを紹介しています。レントゲン写真とともに、80歳を過ぎて軟骨が再生した症例なども多数掲載。股関節痛に悩むかたへ、大変に親身な内容となっています。