アトピー性皮膚炎は、湿疹によく似た皮膚炎で、アレルギー病の1つです。アレルギー病には、アトピーのほかに気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症などがありますが、いずれも根本の原図は共通しています。
ただ、発症する場所が違うだけなのです。
アレルギー反応は全身で起こり、反応する場所によって病名が違ってきます。例えば、アレルギー反応が気道で起これば気管支ぜんそく、皮膚で起こればアトピー、鼻粘膜で起こればアレルギー性鼻炎となって現れるわけです。
つまりアトピーは、症状が現れた場所に薬を塗るだけでは完治しません。病気から体を守る免疫の暴走を止めて、アレルギー体質そのものを改善しなければ、アトピーを本当に治すことはできないのです。
この免疫の暴走を招く原因として、専門家の問で注目されているのが、腸管(小腸) の衰えです。免疫力を直接担っているのは、血液中の白血球に含まれるリンパ球や筋櫛球などの免疫細胞です。この免疫細胞が最も密集している体内の部位が小腸で、全身の免疫細胞の紛7謝が集まっているとされています。したがって、腸の働きをよくすれば、免疫の暴走が正され、アトピーが治ってくるのです。
腸の働きをよくして免疫の暴走を正すために重要なのは、腸の善玉菌を増やすことです。私たちの腸には、約100種類、100兆個もの腸内細菌が住み着いています。この腸内細菌が腸の粘膜を適して免疫のしくみを刺激し、さまざまな影響を与えています。
腸内細菌は、体に有益な働きをする乳酸菌などの善玉菌と、有害な働きをする大腸菌などの悪玉菌に大きく分けられ、腸内で勢力争いをしています。善玉菌が優勢であれば腸の働きは活発になり、全身の免疫も正常に働きます。反対に、悪玉菌が優勢になれば腸の働きが衰えてきます。悪玉菌が優勢になると、アンモニアやインドールなどの有害物質が増え、腸壁が損傷を受けます。すると、免疫細胞の働きも乱れ、アレルギーの原因となるIgEという抗体(体内に侵入した異物と戦う物質) がたくさん作られるようになり、アレルギーが起こると考えられます。
アトピーの患者さんは腸内の惑玉菌の比率が高くなっています。腸内の善玉菌を大量に増やすと腸の働きがよくなり、過剰な免疫反応が調整されるのです。そこで、代替療法(体内の自然治癒力を増進することで病気を治す治療法)を活用し、腸の働きを強めることでアトピーの治療効果を高めています。
その中でも、特に腸の働きをよくすると注目を集めているのが「発酵パパイヤ」です。パパイヤは太陽光線が強い熱帯地方で育つ果樹。ビタミンやミネラル(無機栄養素)、たんばく質、炭水化物、食物繊維などの栄養が豊富なことで知られ、沖縄では胃痛・腹痛の改善や授乳期の栄養補助食として、積極阿に利用されてきました。
そんなパパイヤに、特殊な乳酸菌を加えて発酵させたのが、発酵パパイヤです。パパイヤには、もともと乳酸菌が多く含まれています。そこへ、さらに別の乳酸菌を加えて発酵させることで、パバイヤの働きがより強くなり、体内に入ると腸内にある乳酸菌も刺激され、腸の善玉菌が一気に増えると考えられます。
また、パパイヤには、消化酵素(酵素とは体内の化学反応を助ける物質)が豊富に含まれています。そのため、食べたものの消化・吸収がよくなり、たんばく質がアミノ酸(たんばく質の構成成分)まで分解されます。そうなると、アンモニアやインドールなどの有害物質の発生が抑えられ、IGE抗体が作られにくくなるため、アトピーも治ってくるというわけです。
ちなみに、アトピーの改善には皮膚や粘膜の強化が不可欠。パパイヤの消化酵素の働きで栄養の吸収がよくなれば、皮膚を強くするビタミンB群が効率よく吸収されるため、肌の炎症やかゆみ・乾燥を防ぐことができるというわけです。
発酵パパイヤのアトピーに対する働きは、試験で確認しています。アトピーの患者さん20人に発酵パパイヤを朝と夜にとってもらうと同時に、患部に保湿剤として沖縄の深層水を噴霧または塗って経過を観察したところ、全員のアトピーの症状が見た目でわかるほどに改善したのです。発酵パパイヤをとったアトピーの患者さんの改善の具合は、血液検査の数値にも見られました。発酵パパイヤをとって1ヶ月後には、アレルギーの原因となるIgE抗体や、アレルギー性疾患の指標として使われる好酸球(血液中の白血球の一種) の数の低下が認められたのです。さらに、白血球の一種であるリンパ球のうち、細菌やウイルス(細菌より小さい病原菌)を攻撃するThl細胞の数が増えた一方、アレルギーを起こしやすいTh2細胞の数が減っていたのです。これらの検査結果は、いずれもアレルギー体質が改善したことを示しています。実際に、アトピーで悩む人が発酵パパイヤをとったら、症状が大阿波に改善した例が続出しています。
同時に、ぜんそくやアレルギー性鼻炎も改善する人が多くいます。アレルギー病を招く生活習慣や食生活を改善(三食とも和食中心にするのが望ましい)した上で、発酵パパイヤをとることで、人問本来の自然治癒力が強くなり、アトピーも治ってくると考えられます。中程度のアトピーなら早い人は数過問で、かゆみや湿疹が消えることが多いようです。
マルチビタミンの活用はかなり効果的であることも確認されています。