確実な減量効果!
私の治療院では腰やひざなどの定番の慢性病や、座骨神経痛などの改善をはじめ、骨折後のリハビリ、スポーツでの筋肉のゆがみを調整するスポーツ整体などを行っています。
慢性病や神経痛、しびれの改善には、指圧やマッサージ、鍼治療などを行います。ただ、そうした手技の成果を上げるために、肥満の改善が必要な患者さんが少なくありません。
体重が増加してしまっている患者さんは、過剰な体重が関節や骨盤の負担になって、痛みは増幅し、なかなか痛みが取れません。
また腰やひざが痛いと、体を動かさなくなるので、運動不足になり、さらに肥満が進行するという悪循環にも陥ってしまいます。
そういう人たちに私が勧めているのが、ふだんの食事で冷たいものを控え、温かいものを食べるように心がけて内臓の血流をよくする食事法です。そして、減量のために勧めている運動が、股関節を大きく開いて、全身の血液とリンパの流れをよくする「開脚」です。これまでに、私の治療院で食事法と開脚を行った人の数は600人を超えています。そして、サボらずに続けた人には、100% といってもいいすぎではない、確実な減量効果が現れているのです。
半年くらい続けた時点で、だいたいの人が10~15kgの減量に成功しています。そのほとんどが、過去にどんなダイエットでもやせなかった人や、運動もできないくらい太っていた人たちです。
開脚は、確実に体重が減少し、手軽に足腰が鍛えられると、大評判なのです。今までに最もやせたのは、36kg減量した62歳の女性です。
このかたは、ひざ痛に悩んでいましたが、やせてからは完全にひざ痛を克服しています。また、開脚で姿勢が改善され、体型がよくなったことを喜ぶ声も続出しています。
メタボ体型だった男性が開脚を続けたおかげで、おなかが引っ込み、中性脂肪値やコレステロール値が下がった例もあります。
リンパや血液の流れが改善!やせ体質に
私が勧めている開脚は、8種類あります。その中から、一人一人の年齢や股関節のかたさ、脚力などを考慮して、無理のないやり方を勧めています。なかでもお勧めの開脚を2つご紹介しましょう。年齢が高く、足腰が弱っている人、腰痛やひざ痛の程度がひどい人には、いすに座って行う開脚が向いています。まず、いすに浅く腰をかけて、片方のひざを九〇度に曲げます。そのひざの上にもう一方の足の足首をのせます。
いすに座って、片足だけ、あぐらをかいた感じになります。その状態から、組んだ両足を両腕で抱えて上体を倒せるところまで前に倒していき、その姿勢を30秒間保ちます。反対側の足でも同様に行い、これを10回くり返します。こうすることで、上にのせた側の足の股関節を無理なく開くことができます。
左右の足で交互に行うことで、股関節のかたさやゆがみが調整されます。
一方、年齢が若く、ひざや腰の状態が落ち着いている人、立っまたた状態でも股が開きやすい人、肥満度が特に高い人には、立って行う開脚が向いています。
壁やいすなどに手をついて、腰を落としながら徐々に足を左右に開いていきます。これ以上開かないところまで足を開いたら、そのまま30秒~1分間維持し、ゆっくりと元に戻ります。これを10回くり返します。立って行う開脚の場合、初めはどの人も聞きにくいようですが、毎日くり返すことで、股関節がだんだん開くようになります。
ですから、最初から無理に大きく開いたり、開脚のポーズを長く維持しすぎたりしないよう、注意しましょう。どちらの開脚も、1日1度、ほんの数分行うだけで、股関節のかたさが取れ、股関節のゆがみが調整されます。それに伴い骨盤のゆがみも改善されて、全身のリンパや血液の流れがよくなるのです。リンパや血液の流れがよくなると、脂肪が落ちやすくなり、基礎代謝(生命を維持するため必要な最小のエネルギー) も上がって、減量効果が発揮されます。
つまり、これまでゆがんでいるために太りやすかった体が、ゆがみを取ることで一転し、やせやすい体に変わっていくのです。
ヒップは上向き、腰はくびれる
また、開脚を続けることで、股関節を支え、股関節の動きにちようようきん関係する、腸腰筋などのインナーマッスル(体の深部にある筋肉)や、太ももの内転筋、腹筋などが鍛えられます。
その結果、下腹や太ももが引き締まり、ヒップは上がり、ウエストはくびれます。肥満の進行とともにくずれていった体型が、徐々に引き締まるのです。こうして筋力がついてくると、脂肪がつきにくくなります。
また、筋肉が行う熱産生が高まるので、基礎代謝も上がります。減量に成功すれば、腰やひざの負担がへって痛みが軽減するので、治療として考えても、開脚で股関節周りの筋肉を鍛えることが直接、腰痛やひざ痛の改善や予防に役立つのです。
また、開脚で血液やリンパの流れがよくなることは肥満の解消だけではなく、全身の細胞に栄養や酸素が潤沢に運ばれることになります。その結果、体が元気になるのでナノ。実際、開脚を始めた人たちは、脚力がついて、以前よりも長い距離を歩けるようになっています。また疲れにくくなるなど、仕事や家事をしていて、体力や持久力がついたことを自覚されています。開脚を行えば、やせて体が引き締まり、元気になります。
開脚のやり方
座って行う方法
- いすに浅く腰をかけて、左ひざを90度に曲げる。そのひざの上に左足首をのせる
- 組んだ両足を両腕で抱えて、上体を倒せるところまで前に倒していく。倒しきったら、そのまま30秒間キープし、ゆっくりと元に戻す。反対側の足でも同じように繰り返す。10回行う。
立って行う方法
- いすの背もたれ(壁でもいい)に両手をついて立つ。
- 腰を落としながら除々に足を左右に開いていく。開ききったらそのまま30~60秒間キープ。ゆっくりと元に戻す。これも10回繰り返す。